『賢にぃ、ごめんねー!
聞いたと思うけど、これ、悠樹に…』

『うん。まりかが謝ることないよ。
悠樹が、友達に返す本を間違って渡したんだから』

(作戦とはいえ、ごめん悠樹)

『あ、あとね…これ。
いつものお礼も兼ねて、受験勉強の合間に食べてね!』

『まりか、そんな気を使わなくていいよ!
でも、嬉しいよ。ありがとう!』

(よかったぁ…
ホント優しいな賢にぃ!)


駅に着き、まりかはごきげんで学校に向かうと、希子が話しかけてきた。

『おはよ、まりか!
ちょっと〜!頑張ってんじゃん!』

『おはよー!
そだね。悠樹も協力してくれるから、
クリスマスまでには何とかしたいな…』

『え?悠樹君、協力してくれるんだ?』
と希子は少し驚いているふうだった。