『悠樹!いー加減戻って!!』
しびれを切らした なずなが割り込む。

『あ、ごめん!行って、悠樹!』
『うん、ちょっと待ってて』

そう言って悠樹はチームに戻って謝ると、すぐにまた まりかの元にやって来た。

『なに?どしたの?』

季節は秋で、少し肌寒かった。

『じっとしてたら冷えるから、これ着とけよ!』
悠樹はウィンドブレーカーを渡す。

『え、ありがと…
てか、早く戻りなよ!』

『うん、じゃ、応援よろしくな』
『うん!頑張ってね!』

悠樹を見送りながら、
(悠樹って優しいな…

はぁ、でも、ここからが大変だ。
このアンチ私の空気…

みんなに言ってやりたいよ。
私は悠樹の姉みたいなもんだから、
そんな態度とってると知らないよ〜って!)

と思う まりかだった。