再び、息ができないくらい胸が締め付けられ、ふわっと体が波打つ まりか。


すごく切なくて…
すごく優しい、悠樹の声…


自然に…
涙があふれてくる。



その涙で我に返った悠樹は、激しい焦りに襲われる。


次の瞬間…



まりかは悠樹に抱きついた。





『大好き…

大好き、悠樹!』





今度は悠樹が、何が起きたのか わからない様子で驚く。

(え…



なんで…

どーゆー事だ…?


これ…夢!?

つーか、妄想!?)


信じられない現実に…

まりかの存在を確かめるように抱きしめた。

好きで…
大好きで…
狂おしいくらい愛しい まりかが、腕の中にいる。

悠樹は更に、ぎゅっと抱きしめた。


そして、ゆっくり腕を解くと…

熱に浮かされたように、再びキスをしようとした。


唇が重なる瞬間…

思わず、それを止める。


キスしたら、この夢が覚めそうな気がした。


そのまま悠樹は、おでこをコツンと合わせた。