それから2・3日が過ぎ…

朝、いつものように、
悠樹が朝食を食べ始めた時、
賢司は家を出ようとしていた。

『待って、賢司!
一本遅らせてくれない?』
美紗ママが引き止める。

『いいけど、何か用事?』

『うん、これ作りすぎちゃったから、まりかちゃんにおすそ分けしようと思って』

(え…まりか!?)

まだ寝ぼけ気味だった悠樹の目が覚める。

『わかった。渡しとくよ。』

『ちょっ…なんで賢兄なんだよ!』
くいつく悠樹に、

『あぁ、賢司とまりかちゃん電車が一緒らしいの!』
と美紗ママ。

(なっにーー!!

なんだその俺より近い設定わ!
あ〜、俺も桜木高校にいけばよかった!

ムリだけど…)

悠樹は、ふと賢司の言葉を思い出す。

ー『遥歩が相手じゃきびしいな』ー

(あれって!!
俺に言ったんだと思ってたけど…
自分に対しての独り言だったのか!?

って事は…
賢兄も まりかを狙ってんのか!?)

『なに、ぼーっとしてんの!
早く食べてしまいなさい!…悠樹!』

美紗ママの声も届かず、頭の中グルグルの悠樹だった。