悠樹が立ち去ろうとすると、

『いつまで自分守ってんだよ?』

遥歩の一言に、振り返る悠樹。

『もう失うもんとかねーだろ?』
呆れたふうに、言い放つ。

『…

そーだけど…』
と、顔を背ける。

『なんだよ?
また まりかの気持ち!?

つーか…



自分の気持ちも大事に出来ねーヤツが、
人 大事に出来んの?』



心に…

カミナリが落ちたようだった…



そして…

心の枷が取れた気がした。



『サンキュ、兄貴…

目ぇ覚めたし』

そう言って部屋に戻ると、居ても立っても居られず、再び まりかにメールを打とうとした。

すると まりかから、さっきの返事が届く。

"選手権、おめでとぅ!
私も、内定決まったんだよ♪

久しぶりに話そーよ!
次の日曜日、部活終わったら会える?"

(わ、すげぇタイミング…)