往復とも電車の二人は、混み合う状況を避け、一本遅い電車を待つ事にした。


『まりか…
なんか俺にゆーことない?』

悠樹は、遥歩との事を聞こうと思った。

(なにソレ!!?
もしかして私、気持ちバレバレ!?!?)

『…まりか?』
反応のない まりかの顔を覗き込んで、

『つか、なんか付いてるし…』
と、笑いながら まりかの頬に手を伸ばした。

『…!!!』

悠樹の手が、そっと頬に触れ…
何かを取ろうと、親指が頬を撫でる…

その瞬間、体が波うつ…

(ぅ…わ…!)

とっさに、悠樹の手を振り払った。


悠樹は驚いて、一瞬固まって、

『あ… ごめん…』
と、呟いた。


(私…

またやってしまった…!



なんかもぅ…泣きそう…!)