花火のラストスパートに、言葉を失って
見惚れる二人。

悠樹は、まりかを抱きしめたい気持ちで
いっぱいになった。

終了と共に、一斉に動き出す人々。

『まりか、こっち!』
そう言って、はぐれそうな まりかの手をとる悠樹。


(わ…!!


どーしよ!!
嬉しい!!

ヤバ…

手からドキドキが伝わりそう…)

悠樹の温もりに、愛しさが込み上げる。

(やだ…!
ずっと、こーしてたい…!)

繋いだ手を、キュッっと握りしめる。


(え…?

ヤバ…嬉し…!)

悠樹も、ぎゅっと握り返す。



ドキンッ!



思わず、バッっと手を振りほどく まりか。

驚いて、振り向く悠樹。

『あ…

もぅ、人混み…落ち着いてきたし…』

(てか…
ドキドキに耐えらんなかった…)


『…そだな!』

そう言って、何事もなかったように、笑いかけてくれる悠樹に、心が痛んだ。