悠樹は嬉しかったが、気をつかって、
場所はマックをリクエストした。


『まりか、ゴメン!
部活長引いて…』

(わッ!久しぶりの悠樹!!

どーしよっ!!
めっちゃドキドキする!!)

『うん、行、こっか』
緊張して目も合わせられず、ギクシャクする まりか。


フワッと、みずみずしいチェリーの香りが漂う。


(あれ…?
これって…)
『まりか、この匂い…』

『うん…

サプライズ、すっごく嬉しかったし…
ありがとぅ…』

恥ずかしそうに、目をそらしたまま話す
まりか。

(あ〜〜!
もっと、嬉しい気持ち伝えたいのに!)


『うん…』

そのぎこちなさから、逆に気持ちが伝わってきて、照れる悠樹。

何気に沈黙になる二人。

(なにこの沈黙!

マックまでの道のりが、やたら長く感じる…

そだ!)

『てか、誕生祝いしないんじゃなかったの?』

『なワケねーじゃん!
俺ん時、どんだけ嬉しかったと思ってんだよ?
だから、サプライズしたくて…』



(ヤバ…


嬉しい…嬉しい…!)

と同時に、その時の悠樹を思って、切なさに胸が痛んだ。