その姿が、すごくキレイで…
すごく愛おしく感じて…
見惚れるように、動けなくなる遥歩。

『なんで俺…?

俺のどこが…』

呟くように問いかけた。

『どこでもないよ…ぜんぶ。
ただ、敢えてゆうなら…


弱いトコ』


遥歩は驚いて、
遥歩にとっては、すごく衝撃的で、
その言葉が心に染み込んでいく…

遥歩は…
痛々しいくらい不器用な沙夜香を、
ただ、ただ、抱きしめて、

『お前の事は…
ずっと大事に思ってたよ…

だから、あんなワガママ聞いたんだと思う』

そう囁いた。

その言葉が、嬉しくて、嬉しくて、
たまらず沙夜香は、強く、強く、
しがみつきながら、泣きじゃくった。