賢司の言葉に…
丸一日 今までの自分を思い返していた
遥歩は、沙夜香の存在に思いを馳せる。


『沙夜香…

なぐさめてよ…』

甘えるように、呼び出す遥歩。


沙夜香の家付近の公園で、
待っている遥歩を見つけると、
沙夜香はそっと、抱き包んだ。

『…ごめんね』

『だから、お前のせーじゃねーよ…

でも…
ごめんって思うなら、ほんとの事教えろよ』

そう言って、沙夜香を自分の隣に座らせた。

『お前…
俺の事、本気で好きだった?

…マジで答えろよ』

想定外の質問に、驚いて戸惑う沙夜香。

『…お前はいつも、俺の側に居てくれたケド…

でも、いつもクールで、サラッとかわしてくカンジで…

きっと、
お互い寂しくて一緒に居るだけで、
お前の心ン中に俺は居ないと思ってた…』


言葉にすると、あふれ出しそうな想いに、何も言えずに下唇を噛む沙夜香。