賢司は優しく微笑みながら、溜息をもらし、

『今までの報いだな…』
と、厳しい一言をこぼす。

『ひっで…』
苦笑いをして、再びうなだれる遥歩。


賢司は荷物を下ろすと、
そんな遥歩を諭すように話し始めた。

『お前の周りの女の子も、お前の事を本気で好きだったんじゃないのか?

だからこそ、どんな扱いをされても、側に居たんじゃないのか?』

『え…?』
遥歩は、ハッとしたように顔を上げた。

『お前はそんな想いを、はねのけて、
踏みにじって、傷付けてきたんじゃ
ないのか?』

遥歩は、今更のように気付かされ、
自分に呆れて溜息混じりに笑った。

『今回の事で、人の気持ちを学べただけでも悪くないと思うぞ?

大丈夫。
お前なら、次こそは大丈夫だ。』


『…いー兄貴じゃん』
目を伏せて、笑みをこぼす遥歩。

『今頃知ったのか?』
と、賢司も微笑んだ。