まりかは、遥歩への罪悪感から、
ベスト8のおめでとうも、香水のありがとうも、言えないままでいた。


遥歩は…
まりかの好きな人が、悠樹じゃないかと察し、悠樹の顔を見たくなかった。

今の悠樹は、ベスト8でもてはやされていて、なおさら惨めになる。

やっぱり自分には何もないと。


そして数日後…
家に戻ってきた遥歩は、まだ誰も帰ってきていない居間でうなだれていた。

そのままうたた寝をして、夜の8時になり、辺りはすっかり暗くなっていた。


パチッ。
突然 電気がが点くと、

『うわっ、びっくりした!
居たのか、遥歩!?』

『あれ…

賢司…なんで?』

目が覚めて、寝ぼけ気味に話す遥歩。

『なんでって、お盆前だから帰ってきたんだろ?

それより、どうしたんだ?
何かあったのか?』

遥歩の様子に心配する賢司。

『……ん。

本気のオンナにふられた…』