(いつも、あたりまえのように側に居てくれた悠樹…

…ずっと、守ってくれてたんだよね?


なのに私は…
そんな悠樹を傷付けて来たんだろうね…


手の中の香水を見つめる まりか。

(私は遥歩と付き合ってるのに…
こんなふうに想ってくれるなんて!)

香水を胸にあて握り締める…

(ねぇ…

悠樹はどんな気持ちでいたのかな…?

どんな思いで、
これを贈ってくれたのかな…?)

切なさに、涙がにじむ。

ゆっくりとフタを開け、そっと手につけると…

バレンタインのハンドクリームと同じ、
チェリーベースの香り…

それより少しだけ、夏を爽やかにしてくれる様な、みずみずしい香りが広がる。


(こっちのが、もっと好きかも…)