コーラを2本買って、二人は部屋に入った。

向かい合って座ると…

まりかは、無意識に感じている緊張感を消し去るように、すぐに話を切り出した。

『悠樹の好きなコってさ!…』

(えっと、なんて聞こ…

どーしよっ、
ちゃんと考えとけばよかった!!)

悠樹を見つめながら、固まる まりか。

いきなりな話題に、少し驚いたふうに見つめ返す悠樹。

(な、
なんでそんな、見つめんの!?

た、
たえらんないっ!)

と、ただ続きを待ってるだけの悠樹から、顔を背ける。

(なんなんだ、まりか!?

すげー気になる…)


『…ま、まだ好きなの?』
苦し紛れに、呟くように聞くと、

『今は、俺の事はいーから!』
と、あっさりかわす悠樹。

(あ、流した…
前もなんか、流してたよね?)

『この話題、いつもはぐらかすよね?』
(我ながら、いい変化球かも!)

悠樹は一瞬間があいて、
『そーゆーの照れるし』
と、顔を背けた。

(わかんないっ!
その反応じゃ、わかんないし!

他になんか、いい変化球は…)