まりかと悠樹は、近くにある公園の、木陰のベンチに座った。

少し間を置いて、
『大丈夫か?』
と、声をかける悠樹。

『…なにが…?』

『なんかあったんだろ?』

その言葉に、心がほどける まりか。

ゆっくりと…

さっきの出来事、
自分の思い、
傷付いた気持ちを話した。



…悠樹は、私の隣で、

すごく、すごく…優しい声で、

ただ、ただ…『うん』って、

ずっと、ずぅっと…聞いてくれた。

それが、その瞳が、その声が、

あまりにも優しくて…

私は、涙が溢れてきた。

そんな私を…

悠樹はそっと抱き寄せる。

涙が、更に止まらなくなった。


本当は…
この思いを遥歩にぶつけるべきだと思う。

でも、他の誰かに聞いてほしかった…?
そして、慰めてもらいたかった…?


ただ…
悠樹に、甘えたかったのかもしれない。