『ごめん…
私が誤解とくから…』
と、遥歩に近寄る沙夜香。

『いーよ…
それに、お前のせいじゃねーし…

俺の問題だから…』

何も言い返せなかった遥歩は、
ただ、まりかが去って行くのを眺めた。



二人の抱き合う姿が、頭から離れない
まりか。

(そうじゃない…

価値観とかじゃなく、
きっと、いちばんイヤなのは…


遥歩のほーが、
好きな気持ちが大きいって思ってたのに、

遥歩に大事にされて、
私は特別なんだって思ってたのに、


抱き合ってる二人は、
すごく自然で、空気のような存在に見えて…

遥歩の表情や、髪を撫でる仕草に愛を感じて…


あぁ…
邪魔者は私なんだって!
そぅ…思ったコトなんだ)


ー最終的に、遥歩は沙夜香んトコに戻るからー

前に、遥歩の元カノ達に言われた事を思い出す。

(もしかして、私も遊びだった?

私も、沙夜香さんには敵わないのかな…


抱えきれない思いに、
まりかは悠樹に電話をかけた。

繋がらない電話に、
(あ…
まだ部活か…)

と、まりかは思わず西校へ向かった。