そんな まりかを見て、更に傷む心を
吐き捨てるように、

『仲いーじゃん!
つか、バカップル!?』
と、思いっきりの笑顔で茶化す悠樹。

まりかは、全く気にもしてない悠樹が、
何気に寂しい。


そこに、料理のバタつきがひと段落した美紗ママが声をかける。

『あ、悠樹おかえり!
もうすぐご飯だから、着替えてらっしゃい』

『あ、俺、食ってきたから!』
と、嘘をつく悠樹。

そのまま部屋に向かいながら、

(まりか、微妙な顔してたけど…
俺、ヘンな態度とったっけ!?

いや、ヘンな事言ったのかも!
俺、まりかに何て言ったっけ…!?

ヤバい…
テンパってて覚えてねぇ…)
と、動揺する。


部屋に入ると、
張りつめていたものが切れ、崩れ落ちるように座り込む悠樹。

手で顔を覆いながら…
ふと、二人のキスがフラッシュバックする。

えぐられるような痛みに、胸元を掴んで、
『さすがに…キツ…』
と、呟いた。