女子達は話を続けた。

『でもさー、もーよくない?』
『てか、マジでヤる気なの!?
あの幼馴染のオンナ!』

顔を洗おうとした、悠樹の手が止まる。

『当たり前じゃん!
引っ叩いてやんなきゃ気がすまないし!』

その子は、以前 まりかに文句を言ってきた遥歩の元カノだった。


『そんなんだから、相手にされねんじゃね?』

『ハ?』

突然の悠樹の言葉に、
キョトンとしながらも、強い視線を向ける女子達。

『兄貴に選ばれないのは、自分にも原因があるんじゃね?
人ばっか、恨んでんじゃねーよ』

『なに、アンタ…遥歩の弟?
てか、うるせーし』
と、元カノは悠樹を睨みつける。

『ほんとに好きなら、相手の嫌がる事してんなよ』
と、続ける悠樹に、

『アンタに何がわかんの!!?』
と、キレる元カノ。


『わかるよ…


頑張っても、どれだけ好きでも、
選ばれない辛さは…

すげぇ…よくわかる』

悲しみを秘めた悠樹の強い瞳に…

言葉が詰まる元カノ。