遥歩は悠樹にも牽制をはった。

『まりか、俺のオンナだから、
今までみてーに絡むなよ』

『…

別にいーだろ、幼馴染だし』


『まりかは了解したけど?』


悠樹は、目を見開いて愕然とする。


(俺は…

俺ってそんな、


そんくらいの存在でしか
なかったのかよ…!!



もう嫌だ…

なんでこんな苦しんだよ!!)



数日後…

『おい、悠樹!!
いーかげんにしろよ!!
やる気がねんだったら帰れよ!!』

ここ最近の不調続きに、サッカー部のキャプテンがキレた。

悠樹は謝って練習を続けたものの、調子は戻らず、一人で残って練習していた。

それでも、なかなか練習に身が入らず、
うまくいかない歯痒さに、グランドに座り込み、頭を抱え込む悠樹。

『…バカじゃないの?』
そう言って、タオルをかける なずな。

悠樹は頭を上げ、
『なずな…
まだ居たんだ…?』
と力なく答えた。