その夜、
悠樹は部屋で、プリクラと足に付けたアンクレットを見て、幸せに浸っていた。

そして、プリクラを何処かに貼ろうかと
ハサミを探すが、見当たらない。

居間からハサミを取って、部屋に戻ろうとすると、遥歩とすれ違う。

『あ、悠樹!』
遥歩が呼び止める。

悠樹が振り向くと、遥歩が一言…



『俺、まりかと付き合う事になったから』



(胸が…



潰れるかと思った…)



遥歩が立ち去った後も、茫然と立ち尽くす悠樹。

ふと我に返って、部屋へと向かう。


(なんとなく…
わかってた事じゃんか。

こーなる事は予測出来てた。

俺はまりかを応援するし、

まりかが幸せなら、それでいーし、

うん、そー思ってたし!

うん、それで…)

必死に言い聞かしながらも、

切なさが頬を伝う。


掴んでいたプリクラを見て、
『すっげぇ、悪あがき…』
と、悲しそうに笑った。