まりかは、手が少し震えている遥歩を見ながら、

『私だって、なんもないよ。

てか、自分のコトほどわかんないもんで、誰だってきっと、いいトコはあるよ!

もちろん、遥歩にも…』
と、微笑む まりか。

『…例えば?』

『例えば…
さりげない優しさとか!

あと遥歩には、見た目以外でも人を惹きつける何かがあるよ!

天性の魅力ってやつ?
ソレ、羨ましいから!』

遥歩から、少し笑みがこぼれる。

『それにさ、
ホントの遥歩を知っても、離れないコは居るよ!

そして、遥歩のいいトコ、もっともっと見つけてくれるよ…』

まりかがそう言うと、
遥歩は、指先でそっと まりかの指先に触れ、


『まりかが見つけてよ…

ずっと俺の側で…』


と、愛しそうに見つめた。



キュン…



その指先は…
いつもの遥歩からは想像もつかないほど、かよわく、どこか切なげで…

まりかは遥歩が愛しく思えた。


(これも駆け引きなのかな…

それとも私、ギャップに流されてんのかな…

だとしても…)


『うん…

いーよ…』