バイトが上がりだった遥歩の着替えを待って、二人は近くの公園に行った。

ベンチに座って、
沈黙を破るように、口を開くまりか。

『さっき…
なんでシカトすんの?』

『いきなり居るし…
テンパった…』

『…なにソレ!』

(分かりづらいからッ!


でも…
相変わらず可愛んだけど!)
と、吹き出す まりか。

遥歩は、恥ずかしそうに顔を背けた。
そして、ゆっくり話し始める。

『この前は、ごめん…

お前の言うとーり、俺は弱ぇよ。

俺、自分に自信がねーんだ…

ガキん時からさ、
賢司は頭良かったし、
悠樹にはサッカーがあったし、

でも俺にはなんもなくて…。


俺、ただの見掛け倒しでさ、
中身のねぇヤツだから…

ホントの俺を知ったら、
きっと、みんな離れてく…


お前とのトラウマもあったし、
人と深く関わんのが怖かった。』