『悠樹!』
むんずッッ!

悠樹は突然、後ろを引っ張られる。

『わっ!なに…!?


…まりか!!』

驚く悠樹に構わず、マイペースに話し始める まりか。

『あのさ、私のコト聞かれても、ファミレスん時みたいな答え方はしないでよ!』

『え…ファミレス?』

『だから…』まりかは、周りに聞こえないように小声で話そうと、更に近づく。

(ぅわ、やば…)
悠樹の心は高鳴る。


『婚約者なんて二度と言わないでよ』


耳に まりかの吐息を微かに感じてドキドキする中で、その言葉にチクリと胸が傷む。

『うん…わかった』

『じゃね』
まりかは立ち去ろうとして、女の子達の鋭い視線と威圧感に気付いた。

(なに!?)
謎に思いながらもチームに戻った。


『悠樹、今の誰?』
気になる なずな。

『……幼馴染だよ』
寂しげに答える悠樹。

『幼馴染!?そんなのいたんだ…』