今日は悠樹の誕生日。

まりかは西高に着くと、校舎の向こうにあるグランドを、探しながら歩いていた。

校舎と校舎の間に差し掛かった時、

『誕生日おめでとう…』

その声に振り向く。

その雰囲気に、
(わ…なに?告白!?


って!
悠樹!!)

思わず、校舎に隠れる まりか。



『ごめん…

バレンタインの時も言ったと思うけど、受け取れない』

『…好きな子がいるんだったよね?

でも…それってホント?』

『え…?』

『だって、結構前からそう言って…
長いよね?』

『…ずっと、片思いだから』

女の子は、一瞬切なそうな顔をする。

『じゃあさ…

もしその子がダメだったら、私にも可能性あるのかな?』

『…ごめん』