『悠樹は、何で東京コースにしたの?』

修学旅行の電車の中で、同じコースを選んだ なずなが話しかけてきた。

『俺は…
電車の旅がしたかったから』

『なによ、それぇ〜』
クスクス笑う なずな。

『俺、トイレ』

席を立って、人の少ない車両間から外を眺める悠樹。

しばらくすると、懐かしい風景が飛び込んできた。


子どもの頃、まりかと過ごした町。


(この辺だっけ…?

あ…
あった!)

線路沿いにある公園。
懐かしい記憶がよみがえる。