『マジで好きになると、強くもなるけど、弱くもなるよ…

特に片思いだと、すげぇ怖くなる』

『怖くなる!?』

『うん…

相手に嫌われないか、引かれないか、怖くなって…

電話ひとつかけんのに、すげぇ臆病になったり…』

『ぅわ…なんかめんどくさいね』

『……だな!』
そんな自分がバカらしくて、思わず笑う
悠樹。


悠樹と話して、少し気が晴れた まりかは、引退前の最後のインターハイに向けて、気持ちを切り替えていった。


悠樹の方は、逆に気持ちが曇っていた。

(ケンカするほど仲がいーってゆーよな…

相手に思い入れがあるから、ぶつかるんだよな…

兄貴とまりかは…ぶつけあえる仲なんだ…

俺は、そんな存在にもなれてない。



いや、
自分が気持ち隠してるから、表面的なカンケーしか築けないんじゃないのか!?)

『何やってんだろ、俺…』

情けない気持ちでいっぱいの悠樹だった。