『じゃあなんで、今さら私のコト…?』

『…今なら、
あの頃みたいなガキじゃねーし、それなりに経験も積んだし…

ちゃんと向き合えるって思ったから』

そう言って、まりかを見つめた。

『経験って…

そんなの遊びの経験じゃん!
本気の経験してないなら、あの頃と同じじゃん!』

ハッとした表情を浮かべる遥歩。
まりかは止まらない、

『遥歩は弱いね…

自分守るために、人を傷つけて!』

遥歩は…
一瞬悲しそうな顔をしてうつむいた。
が、すぐに顔を上げ、

『お前に何がわかんの?』
と、まりかを睨んだ。

(ヤバ…言い過ぎたかも)

『恋愛はキレイ事じゃねーつったじゃん…

だいたい、本気で人好きになった事あんの?』

冷たい瞳でそう言うと、遥歩は家を出て行ってしまった。