『そっかな…

あの子達のハナシ聞く限り、沙夜香さんのほーがよっぽど特別な気がする!』

『沙夜香は…

アイツらと違って、なんも求めてこねーし、後腐れねーから…

楽で、つい甘えてただけだし』

『それはそれでサイテーなんだけど!
だいたい、あの子達が怒るのもムリないし!
オンナを何だと思ってんの!?』

遥歩と話すうちに、怒りがよみがえってくる まりか。

『…俺だってトラウマだったんだよ!』

『…何が?』

遥歩は、ため息をついて語り始める。

『あの縦笛事件…

好きなオンナ傷つけて、
俺はそいつに嫌われて、
そのまま会えなくなって、

俺だって傷ついてた…
思い出したくもないくらい!

だから、人を好きになんのが怖かった。

またテンパって、からぶって、傷つくくらいなら、
テキトーに遊んでたほーがマシだって…

くだんねぇ恋愛、重ねてた』