"いーかげん、会いたいんだけど!"

遥歩からのメールに、胸が高鳴るまりか。

(って!なにドキッとしてんの、私!)

あれから一ヶ月。
怒りも落ち着いてきて、少し寂しくなる まりか。

帰宅途中だった まりかは、いつもの駅で降りると、

『避けてんなよ』
遥歩が待っていた。

『…別に、避けてないし!』
まりかは遥歩をスルーして、家に向かう。

『沙夜香に聞いた…
ヤな思いさせて、ごめん』

遥歩はまりかの腕を掴み、引き止める。

『…離してよ』
うつむく まりか。

『…さっきのメールの返事、
忙しいって返ってこなかったケド』

『それは…
めんどくさかったから、返さなかっただけ!』


『シカト、つれぇし…

お前に会いたかった』

そう言って、そっと まりかの髪に触れる遥歩。

まりかは、心がキュッっと切なくなる。