希子は話しを続けた。

『好きと嫌いは紙一重だけどさ、
一番厄介なのはどっちでもないってコトで…

友達とか、ただのいぃヤツから、恋愛対象に意識されるのは難しいよね』

『じゃあ、希子さんはどーやって…？』

『私？
私はね…逆ギレしちゃったんだよね！

いつまでたっても、ぜんぜん意識してくれないアイツに、
他の女の子ばっかり気にしてるアイツに、

なんか、だんだんもどかしくなっちゃって…

それで、冷たい態度とか、そっけない態度とかしてしまったんだけど…

逆に、それが良かったみたいで、
今度はアイツのほーが気になり始めちゃって！』

彼氏を眩しそうに見つめながら微笑む希子。

『そーなんだ…』
そんな二人を微笑ましく思う悠樹。

『でも悠樹くんは、まりかに冷たく出来ないでしょ？』

『…うん。
出来ないし、しないよ』

『悠樹くんらしいね！』
と、希子はにっこり笑った。