『そんなんじゃ、誰かに取られちゃうよ?』

黙り込む悠樹に希子は続けて話す。

『今のまりかは…
けっこー遥歩くんに惹かれてる気がする…』

『うん…』
驚いた様子もなく、頷く悠樹。

『え…
もしかして、気付いてた?』

『まぁ…
まりかの話しとか、態度とかで…
なんとなく』

『そっか…
きっと、一番気付いてないのは まりか自身だね』

希子は、軽く微笑みながらもため息をこぼす。

そして、話しを続けた。

『みんなギャップに弱いからね…

嫌なヤツがいぃ事すると、すっごい響くのに
良いヤツがいぃ事しても、大して響かない…

ひどい時は、当たり前だとさえ思われちゃう!


まりかさぁ、遥歩くんのコト最初は良く思ってなかったから…
意外な一面を知って、惹かれていったんじゃないかな…

遥歩くん、駆け引きうまいしね』

悠樹は黙ったまま、苦笑いを浮かべた。