試合は、ほぼ西高の圧勝で終了した。

悠樹はまりかに、一緒に帰ろうと声をかけに行くと、

『あれ…?』

『あ、悠樹くん!
まりかなら、顧問の先生に呼ばれて職員室に行ったけど…』
キョロキョロしていた悠樹に希子が声をかけた。

『そっか…』
と、まりかを待つ悠樹。

希子は悠樹の様子を伺いながら、
『悠樹くんってさ…
まりかのコト好きなの?』
と尋ねた。

『えっッ!!』
突然の直球質問にテンパりながら赤くなる悠樹。

『なんで…
俺ってバレバレ…!?』
悠樹は顔を覆いながら座り込む。

『まぁ、けっこー…
でも、まりかは全く気付いてないから!


だけど…
気持ち、伝えないの?』

『…
今の俺じゃ、対象外だし…

このままでも、まりかの側に居たいから』

(それに…今のまりかは…)
切ない顔をする悠樹。