ホントの好き 〜チェリーに包まれて〜

『[帰る方向]こっちでいぃ?』
『え…あ、うん』

そのまま まりかを誘導するように歩くと
『じゃあ』
と、ある程度の所で帰ろうとする沙夜香。

『あ…ありがとぅ』
まりかのお礼に振り返る事もなく立ち去る沙夜香。

(助けられちゃった…
なんか、カッコいんだけど…

てか!なんで私がこんな目に会わなきゃなの!?
彼女でもないのに!)

まりかは女の子たちの言葉を思い返していた。

ーアタシは特別だったのにー
(遥歩、みんなに特別ってゆってんの?

喜んでた私、バカみたいじゃん…)

ー最終的に、遥歩は沙夜香んトコに戻るからー
(それって友達じゃなくない?
もはや夫婦っぽいんだけど…

沙夜香さん…
イイ女ってだけじゃなく、イイ人そうだし…
なんか、敵わないな…)

大きなため息をつく まりか。