まりかはふてくされていた。

その様子を伺うように遥歩は、

『ごめん、まりか…』
と見つめる。

『じゃあ、手!離して!』

『…ムリ』

『はあッッ!?』

『まりか!


トラウマになってるとは思わなかった…
マジごめん…』

無言のまりか。


『ずっと まりかに会いたかった』


そう言って、遥歩は まりかを抱きしめた。

『ちょっ…やめてよ!!』
まりかは振りほどく。

『…なんで?』

今度は まりかの頬に触れ、見つめる遥歩。

『なんでって…』
戸惑う まりかに、遥歩は顔を近づけてキスを…


(させるかッッッ!!!)


ドカッッ!!
『ってえッ!』

まりかは遥歩の足を思いっきり蹴飛ばした。

『相っ変わらずサイテーね!!
じゃ、ここでいーから!』


帰って行く まりかを見ながら、

『まりか強え』
と、どこか嬉しそうに微笑む遥歩だった。


(あーッッ腹立つ!!
なんなのあいつ!!

女がみんな自分にときめくと思ったら、
大間違いなんだからっ!!)


まりかは遥歩に対して、
更に嫌悪感をつのらせるのだった。