放課後、いつものカフェでマリと話していた。
「ねぇね!知ってるかもだけど、明日さぁ、転校生くるって!」
えええええ!!!!超衝撃的だった。転校生なんて初めて知った。
なんで?えっ?えええ!
「え!!知らないよぉ!!マジで?女子?男子?」
興奮が言葉にあふれ出てしまった。
「ぅぅん・・・。男子。」
何だぁ。はいはい。男子ね。
でもこれが、私の運命を変えるなんて知らなかった。
「そーなんだぁ!なら、別に関係ないねー」
ストローを使い、コップの中に入っていたストロベリーミルクティーを飲んだ。
それと同時に重々しいカフェのドアがあいた。
「マリ!フミ!」
この声は。。振り向いた私の目に映ったのは同じクラスで仲の良いルナだった。
「あ!ルナ!」
「こっちこっち!早く~!」
ルナは部活でいつも遅れてくる。
ルナが入っている部活は手芸部だ。
手芸部の部長をやっているルナ。
毛糸の片づけとか閉じまりとか、そういうのしてくるから遅れてくるんだー。
「ああ!ありがとう!えっと、んじゃ、バナナオレで!」
小走りで駆け寄るルナはいつもと違う香りがした。
「ルナ、なんか、食べた?」
ルナは一瞬戸惑うような顔をして真剣な顔になった。
「そっか。フミは鼻がいいんだったよね。うん。彼氏ができた」
5秒間くらい衝撃が走った。
ルナの母親と父親はルナが小さい頃に離婚した。
その理由は父親は母親に殴って蹴って。。繰り返して。
いわゆるDV男だった。
一方、母親も浮気とギャンブルをやめられず、ルナを捨てた。
雨の日だった。ルナは5歳という小さな体をダンボールに、押し詰められた。
それから、ルナは男性と話せないのだ。
なのに、彼氏?
甘い香りのするルナの香りはミントの香りがした。
ルナはいつものクリーム色のフワフワボブに見たことのない蝶のヘアピンが
華々しくつけられていた。
*
