期待と不安がこもった声で、そうつぶやいたしいちゃん。


あやくんなら、喜んで食べてくれると思うな。

てか、絶対喜んでくれるよ。



「大丈夫だよ!こんなにうまく作れたんだから。あ、ちょっと味見してみる?」



あたしはそう言いながら、型からケーキを取り出す。


すると、ふわりとチョコの甘い香りが鼻をかすめる。

おいしそう……!



「え、味見していいの?1個しかないんじゃ……」

「平気!これ、あたしの分だからさ」



しいちゃんには切ってないケーキを持って帰ってもらいたいもん。