「粉、ついてるよ?」

「あっ……ありがとう」



頬についたホットケーキミックスをパパッとはらってあげた。


なんで、頬につくんだろう。

しいちゃんって、こんなにドジな子だったっけ?



「ねぇ、陽菜。さっき……」

「よし!じゃあ、はかった材料を混ぜよっか!」

「あ、う、うん……」



腑に落ちない表情で、作業に取りかかるしいちゃん。


……ごめんね、しいちゃん。

心配、かけてるよね。


しいちゃんに背中を向け、オーブンの予熱をしつつ、またこっそりため息をついた。