そのことは、誰にも言ってない。


もし、あたしが森谷先輩の彼女になれてたら、クリスマスを一緒に過ごせてたのかなぁ、なんて。

そんなことを考えちゃうなんて、あたし未練ありすぎ。



「ふぅ……」



いい加減、諦めないといけない。


わかってるんだ。

森谷先輩と峰岸先輩はお似合いのカップルだもん。



「陽菜?はかったけど……ため息なんてついて、どうしたの?」

「……ふふっ」



心配そうにあたしを見るしいちゃんの顔に、白い粉がついている。