しっかりしなよ、あたし! 泣いたりなんかしない。 ただの強がりだけど。 夏希に、失恋したことは言わないもん……。 ムスッとした態度でそんなことを思っていたら、夏希の手がそっと離れた。 「そ?なら、いいけど。……次の生物、講義室だって。早く準備しなよ」 「わ、わかった……」 夏希は、ほんとのことがわかってるのかもしれない。 ……でも、この失恋はあたしの中で終わらすの。 そう心の中で誓った。