「わ、渡したよ!先輩、喜んでくれたんだぁ……」



なんで、ウソなんかついてるの。


不機嫌な夏希には弱みを見せたくなくて。

見栄を張ってる自分がいる。



「ふーん……あっそ。それはよかったな」



夏希はそう言いながら、あたしの頬をギュッとつねった。


いたっ!

なんでつねるの!?



「なにすんの!!」

「別に?……ただ、陽菜が泣きそうだったから」



――ドキッ……。


泣きそうだった……?



「な、泣いてなんかないよ!!」