「……陽菜、今日機嫌いいな?」



12月中旬。

あと1週間で、冬休みに入る。


いつものように、学校への通学路を夏希と歩く。



「そうかなぁ~?夏希の気のせいじゃない♪」

「気のせいなわけねぇだろ」



ふっとほんの少し口角を上げて、あたしを見てくる夏希。


まぁ……うん。

夏希の言ってることは正解。



「昨日作ったメレンゲクッキーが上手くいってさ~」

「メレンゲクッキー?」



うん、とうなづきながら、カバンから袋を取り出す。