俺のこと、好きっていいなよ。




……変なの。

あたしらしくないよ、こんなマイナスな考え。



「諦めないなら、頑張れ、陽菜。あたしは陽菜の味方だから」

「しいちゃん……ありがとう!」



しいちゃんはあたしに可愛い笑顔を見せたあと、グラウンドに目を向ける。

あたしもしいちゃんにならって、グラウンドを見る。



「……あたしが、チョコケーキを作ったらさ」

「ん?」



しいちゃんがふいにつぶやいたのは、さっきの本にも載っていた、チョコケーキのこと。


チョコケーキか……。

あんまりこらなかったら、けっこうかんたんに作れるはず。



「彩斗……食べてくれるかな?」