「うわ〜……全然止む気配ない……」
6月下旬、梅雨の時期とテスト週間が被り気持ち的にも晴れない日が続くこの頃。
一緒にテスト勉強をしようと、陽菜がうちにやってきた。
雨のせいで、めずらしく玄関から。
「梅雨だからな」
「そうだけど〜……つまんない!もう勉強したくない〜!」
「ん、わかったから。黙って勉強しなよ」
俺は今、特に苦手とする化学と格闘中。
膨大な量の課題が出されて……終わる気しねぇんだよな。
頭に左手を当てて考えていたら、その左腕にふわりと髪が触れた。
「化学か〜!文系も難しそうだね」