こういうところ、すごくずるい。



「俺は、優しくなんかないよ」



繋がれた手の力が、少し強くなる。



「優しくしたいのも、いじめたくなんのも陽菜だけだから」



幼なじみの彼は、ときに冷たくて。

不機嫌で、ヤキモチをやく。


でも、とびきり甘くて。

ふいにくる優しさに溺れるの。


大好きだよ、夏希。


これからも夏希の隣にいさせてください。












「夏希の描く将来に、あたしはいる?」

「あたりまえだろ。陽菜がいないと成り立たない」



これからもずっと、君の隣で。



*おしまい*