「……おはよ」



翌朝。

昨日の雨がウソみたいに、快晴になった。


あたしが家から出ると、夏希が塀にもたれて待っていてくれた。



「おはよ!ま、待った……?」



急いだんだけどなぁ……。

なんとなく髪を直しながら、そう聞いてみる。


すると、夏希は手を差し出しながらふっと微笑む。



「待ってないよ。手、繋ご」



付き合ってからの夏希は甘すぎて、なんだか慣れない。


照れくさいけど、好きな気持ちの方が大きいから、あたしはその手に自分のそれを重ねる。