「夏希くん、部活お疲れさま」 「ありがとうございます」 おおお、爽やか野球少年って感じだ……! そんなことを思いながら夏希をガン見していると、ぱちっと目が合った。 ……すると、夏希は。 「……っ!」 ふわりと、すごくうれしそうに笑った。 どき、どき、どき。 夏希の笑顔に、あたしはいつもドキドキしてしまう。悔しいくらいに。 「夏希、ここ座って」 「……ん」 エナメルバックを隅に置くと、さっきまで希子さんが座っていたところに、夏希が座った。