「……行くよ」 ーーガタンッ。 観覧車には、すぐに乗れた。 「へえ、けっこうせまい」 「そ、そうだね」 観覧車の輪自体は大きいけど、ひとつひとつのゴンドラは小さい。 席だって、ひとりだと余裕があるけどふたりで座るときつい。 だから……真っ正面に夏希がいるのです。 心臓がドキドキを超えてバクバクいってるよ……。 こんな密室だったら、夏希に聞こえてしまいそう。 「……なんか、静かだな?」