「いいよ、言わなくても」

「えっ!?」

「……ん」



あたしが驚いてる間に、夏希が手を差し出してきた。


……ん?この手はなに?



「早く」

「え……う、わぁっ」



急かされたと同時に、あたしの手をギュッと握ってきた。


う、わああああ!

今、絶対手汗かいてる!


離したい!!

……けど、離したくない。



「走るよ」



その言葉と共に夏希は走り出して、手を握られているあたしも必然的に走る。


なっ……!

こんなの、目立つ……。