そう呼ばれた瞬間、腕をうしろにくいっと引かれた。 こ、この声……っ! 「な、夏希……なんで」 なんで夏希があたしの腕を引いて……必死な顔、してるの? 今のあたし、変な顔してると思う。 うれしい気持ちと、やっぱり恥ずかしいって気持ち。 「集合写真、最後だったからさ。声かけんの遅くなった」 「声、かけるって……」 なにそれ。 夏希はあたしと回りたいって思ってくれてたの? どうしよう。 気まずかったはずなのに。 今、こうやって夏希と目を合ってることがうれしくてたまらない。