思わず廊下でポーっと突っ立っていたら、しいちゃんに腕を引っ張られた。



「もう忘れて!教室入ろ!」

「え、あ、うん〜」



……いいなぁ。

それが、率直な感想だったりする。


夏希にとってあたしは、どういう存在なんだろう?

ただの幼なじみ?少しくらい女の子としてみてくれてる?


学校では離れたクラス。

放課後はろくに話せない。


だからこそ、高い壁と思われる幼なじみって関係を生かせるときがきた。


ちゃんと、家で話さなきゃ……!



「よしっ」



そう決心して、あたしは新しいクラスへと足を踏み入れた。